10years after

40年前の10年後。



10年モノ神話の崩壊と再生


お店で値段の高いものを買おうかどうしようか迷っているときに、ときどき「これは10年は使えますから」とプッシュしてくる店員がいるけど、そう言われた瞬間、その商品を買う気も、その店員への信頼も、吹っ飛んでしまう。
「10年もの」なんて言い方をする店員は、絶対に信用しないことにしている。セレクトショップなんかだと30にもならない販売員が「これは10年物ですから、ずっと着れますよー」なんて言って若い男の子に圧迫接客してるのを見ると割って入りたくなる。「おめーは、自分で10年間使って確かめてみたのかよっ!」と店員につっこみたくなる。*1


と書きながら、で、自分自身はどうなのよと、ちと反省。
物持ちがいい(というよりも捨てられない)性格なので、10年以上前に買ったものでも結構手元に残してある。でも10年以上ずっと使ったものってあったかなーと考えると、この25年間で4つしかない。


■AVONHOUSEのクリスマス専用スクールマフラー*2
■プロペラ(閉店)でかったDAKSのハリスツィードジャケット*3
ヘルムート・ラングジーンズのタイト目なN3B*4
吉田カバンのラゲッジレーベルのオーバーナイター*5


頑丈さ、機能、流行の3つに10年間耐えたな、と言えるのは吉田カバンだけかな。なんせ、平日は毎日使ってたし、旅行にも使ってきた。3年ぐらい使うとジッパーのブラックコーティングが徐々に剥げて、ハードな風情で素敵だったのだが、8年目ぐらいでナイロン生地が所々毛羽立ってボロい感じになってきた。その時点で買い換えようかと思ったけど、本当に10年間使える10年モノになるか確かめてみようとそれでも使い続けた。結局まる11年近く使い続けて、最近ようやく買い換えた。*6


某Begin誌では年に2回は「10年モノ」特集が紙面を飾るけと、実際に10年間コンスタントに使い続けられる製品なんて早々あるもんじゃないってことだ。という現実がわかったときにはもう中年。。。
若い店員に「10年モノ」を連呼されても、それは「ハードウェアとしては10年間の使用に耐え得る」程度の意味だと聞き流しておこう。実践的にはお洋服はモノと価格を比べて3年以内で減価償却できるかどうかで買う買わないを決めると損をしないと思う。いわゆる「ど定番」と言われるアイテムでも、3年ぐらいで世代交代していくから。*7

*1:若い店員でも、親の代からその店をやってますってな場合は、別だけど。老舗の二代目とかね。代々の知恵と経験は家宝也。

*2:1983年購入。赤・緑・黒のストライプなので、毎年12/24-25だけ着用

*3:渋カジブーム時にブートカットジーンズにあわせるべく購入。90年代はオン・オフとも毎冬活躍。ヘビーデューティで現在もヘタリなし!

*4:1998AWに購入して以来、タイトなモッズコートが流行るまで毎冬活躍。モードにおけるミリタリーブームの初期の名品。同時に出たMA-1も買っとけばよかった、、、

*5:1999年に池袋パルコのクラチカで購入してから、通勤に10年以上使用。

*6:今度は歳相応に革製のブリーフケースにチェンジ。International Gallery beams×吉田カバンヤフオクで1万1千円で落札。10年間使ったカバンが定価3万6千円だったから1日約15円。今度は1万1千円÷15円=733日だから3年で元が取れる。

*7:某Begin誌の定番特集を3年分並べると「定番にも流行りがある」ことがよくわかる。それでも「定番」言うか?!