camel camouflage

キャメルのカモフラ



キャメルとカモフラージュ


欧米2010-2011A/Wの注目カラーは、男女とも「キャメル」で決まりだそうですが、東京コレクションではまだ目だってない模様。キャメルのシリーズを打ち出したのはジョン・ローレンス・サリバンぐらいか。全体としては春夏からの延長線でベージュ系のやわらかトーンが目に付く感じ。ベージュとの相性の良さから明るめのグレーもベースカラーとして多用されてる印象。
キャメルってトラディショナルでベーシックなカラーのわりに、日本人はあんまり着ないと思う。ベージュより主張が強いからか、黄色い肌に黄色味が強い色は合わないのか。。。でも、毛素材とキャメルカラーはほんと相性がいい。というかキャメルはウール、カシミア、アンゴラでなきゃキャメルという色じゃない気もする。コットン素材だったら、起毛でもしない限り、キャメルじゃなくてブリティッシュカーキとか黄土色としか言われないよね。
キャメル色のメルトンで作ったコートやジャケットなんて、一発でクラシックでマスキュランな感じが出せる。しかも上品な印象。今はなきアレキサンダー・マックイーンの2008-2009A/Wコレクションでキャメル色のコートが多用されていて、素敵だった。まさに上品な男臭さの世界。とはいえ、逆にカジュアルなアイテムにキャメルは難しいかなと、、、男子のキャメル色アウターと言えばダブルブレストのチェスターフィールドコートとか高級&上流っぽい路線が主流かな、、、と思いきや、キャメル色のメルトン・ダッフルコートがあった!グッチがしっかり作ってました。プラダのキャメル色のドンキーコートもかわいい。*1
個人的には、キャメル色のメルトン素材で作ったダブルマッキーノ・クルーザーなんてあったら欲しいっ!ダブルマッキーノ・クルーザーってクラシックなワークウェアだけあって、パターンが上品なんだよね。肩がセットインではなくて、ドルマンスリーブみたいな構造になっているところとか。ポケットもクラシックなミリタリーウェア(それこそアメリカ独立戦争当時)のようなデザインだし。ワークウェア界のトレンチコート的存在かと。


一方、伏兵的存在として気になるのがカモフラージュ柄。
折からのミリタリー調復活に乗っかっての再登場というだけではない気配がする。ミリタリーアイテムとは関係ないカジュアルアイテムや小物にもカモフラ柄が登場し始めてるし。女子に関してはすでに街でもちょくちょく目にするようになって、かなり気になる。「ミリタリーモチーフ」と言うよりも、ここ最近の豹柄(アニマルプリント)やジオメトリック柄と同じく「ポップな模様」の一つとして使われているのがとっても新鮮。だからウォッシュかけたり味出しな素材感のカモフラではなく、キレイでくっきりしたカモフラが目立つ。90年代後半からのカモフラ大ブームの頃をちょっと思い出すなー。色、パターン、素材ともあの頃のカモフラバリエーションはすごかった。あらゆる実験がやり尽くされたんじゃないだろうか。


欧州ものではプラダのコレクション(男女いっしょ)で展開されたカラフルなカモフラ柄がかわいかった。カラフルなジオメトリック柄のアウターのシリーズの中にグリーン系、赤系、ピンク系のカモフラが登場。素材もつるっとしたナイロンだったりして、ミリタリーな印象ではなくて、欧州人から見たTOKYOな感じ(早い話ベイジング・エイプ的)なのが面白い。
http://db.vogue.co.jp/collection/show.aspx/full-length-photos/id,3879/Page,1
東京ものでは、@イズリールのコレクションで、アニマルプリントとカモフラ柄をいっしょにコーディネートしていたのが印象的。その他、ファクトタム、ガッツダイナマイトキャバレーズ、ミロック、マーカウェアでもカモフラ柄が使われていた。もちろん、もろミリタリーをテーマにしたN.Hollywoodのコレクションでも登場してるけど、もろカモフラではなくて、単色系で抑えたカモフラにしてるところが「やるなー」と思った。


個人的には、男女ともいろんなコレクションでちらちら使われていたオリーブ・ドラブ(くすんだ濃い目のオリーブ色)がとっても気になります。オリーブ・ドラブというよりも、モスグリーンとかフォレスト・グリーンといった方がぴったりくるかも。5月になって気がついたんだけど、これってもしかして「上海万博」を意識してるの?中国人モデルの登用も目立ったらしいし。

*1:女子の部では、エルメスの2010-2011AWに出てきたブリティッシュなキャメルコートやジャケットのシリーズが素敵!