resource, asset, invisible or crime


“人材”と一口に言うが、”ジンザイ”には4つある。
 まず『人財』…企業にとって宝とも言える人。なくてはならない重要な人。
 次が『人材』…企業活動に必要な人。
 3番目は『人在』…いるだけの人。
 4番目は『人罪』…いるだけで犯罪。


これは人事マンがときどき使うネタなんだけど、「財材在罪」という身分制度は生まれ(学歴)で決まっているものではないなぁーと、人事スタッフになってしみじみ感じます。


この身分制度は各階級間の移動(異動)も結構起こる。
「人在」を「人材」に育てるのは、マネージャーや人材開発担当の腕の見せどころ。でも「人財」になる人は、はっきり言ってどこから出てくるかわからないし、「人材」の中から育てようと思って育つものでもないと思う。ただの「人在」かと思われていた人が、ある日突然、金の卵になることだってあるし。*1


意外にも「人罪」になる人は、「人在」の中から落ちこぼれて生まれるわけじゃないみたい。
「人在」タイプの人は、落ちこぼれたら、会社から居なくなるだけなので、あんまり問題ない*2。どちらかというと「人財」になるかもと思われていた有能な「人材」が、だんだん「人罪」化したりする。能力もあるし、自分自身もそう思っているような、ちょっとプライドが高い(悪く言えば自意識過剰な)人が危ない。「能力」があるからこそ、いろいろな意味で危ない。まさにダークフォース化。周りの人への影響力も強い。下手すると組織のモラールハザードが起こったりする。


「ただ居るだけの人間なんて、いらない」なんて平気で口にする上昇志向の人は少なくない。出来たてのベンチャーなら「人財」や有能な「人材」ばかりで固められるかもしれないけど、社員数百人ぐらいになれば、もうそんな贅沢は言ってられない。むしろ、「人在」レベルの箸にも棒にも引っかからない人達を、組織としてまとめて動かして、人件費は抑えつつ儲けを出すというのが「経営」の醍醐味だと言う人もいる。もちろん「人在」をまとめて、組織として「人材」化するには、「人財」レベルのマネージャーが不可欠だけど。


「財材在罪」の下は「人済」かな。用済みの人、、、たとえ社長でも、ある日用済みになることだってある昨今。用済みになる前に、引き際を考えなくちゃね、中高年になったら。*3

*1:うちの会社に伝わる昔話。ある事業部で数年にわたる大事業を受注した若手がいたんだけど、その若手は一時は事業部内で最下位の評価だった人だ。ある日、事業部長の机の引き出しを覗いたら(これは本当は由々しきことだけど)、部下の評価一覧表が入っていて、自分の評価を見たら「最低」なのを知ってしまった。これをきっかけに奮起して、企画コンペに積極挑戦し、これまでうちの会社がやったことのないような大きな事業を受注できたという成功物語。

*2:居るだけの人だから、居なくなっても、業務には影響ないし、人件費減る分会社としてはむしろ有難い。

*3:中高年になってからじゃぁ、遅いって話しも。35歳ぐらいで一度、引き際も含めて考えておいた方がいいよね。