no expectation, no obsession

rose of Buddha



「うれしがらず、悲しみすぎない。」


勝間和代さんがめずらしく仏教っぽいことを某紙で書いていた。
成功しても嬉しがって調子に乗りすぎず、失敗しても落ち込んで引きずらないこと。。。なんか「中道」を説く仏陀みたい。成功にも失敗にも、気持ち的にとらわれないことっていうあたり、「しがみつかない」(執着しない)生き方につながる感じがする。


香山リカ先生とのアエラで誌上対談したせいかもしれない。対談ではリカ先生に「ガチガチの成果主義者」かのように思われていることを必死で否定していたんだよね。成果=成功にこだわる性格の代表みたいに言われるのがイヤだったんじゃないかな。プロセスを楽しむのも好きなんですよ、と強調していたから。*1


「成功しても有頂天になるな、失敗してもあきらめるな」みたいなことは、米国のMBAコースでは必ず教え込まれる経営者の「心得」なんだそうだ。
ある経営者がMBAの講義に招かれて、学生に「成功と失敗と、どちらがリスクが大きいか?」と訊いた。ま、普通、失敗はリスクと考えるんだけど、この経営者曰く「事業に成功したときの方がリスクをたくさん抱えるから、気を抜くな。成功して事業が拡大すれば、出資者も増えるし、従業員もたくさん抱えることになる。そこでこけたら、多くの人とその家族が路頭に迷う。でも事業に失敗しても、失うのは自分の出した資金ぐらいだ。」とか。


何かあっても、うれしがらない、悲しみすぎない。何かにしがみつかない、、、いずれにせよ、自分の未来(これから起こること)にあまり期待しすぎないと、案外幸せな一生が送れるということなんだろう。どうも「幸せ」っていうと、ついつい大成功した状態をイメージしがちだけど、長く続く幸せってのは、もっとしみじみ、じわーっとくるような状態のことなんじゃないかな、と思うのは、歳をとったせいなのでしょう。
でも、一番難しいのは、「将来に期待しないけど、やるべきことは淡々とやり続ける」ってところだな。んー、こりゃ仏教で言うところの八正道の正精進みたいなもんだな。


「常に行じて退せざるを正精進という」

*1:勝間さんの場合、プロセスを楽しむといっても、昨日15mしか泳げなかったのに、今日は25m泳げるようになった、みたいに、やっぱり努力してほんの少しでも自分が成長していると感じるのが嬉しいそうだ。根っからの苦労人だな。それに引き換え、リカ先生は自堕落に無駄な時間をすごすのが嬉しいらしい。性格の違いもあるだろうけど、世代の違い?80年代に青春を楽しんだ人と、90年代に青春で苦労した人の差を感じた。