the red & the black

毛先生も指色は赤。

と黒」


再び黒服主体になりそうなこの秋冬男子服。
いろんなコレクションで上から下まで黒ずくめのコーディネートが目だった。
Lad Musicianは、ほんとに全部黒で来た。テーマが"Black Painting"だもの。
といっても、微妙にトーンの違う5種類の黒を上手に使い分けているあたりが、さずが年期を感じさせるな。


黒の指し色は、今年はなんといっても
黒系に赤を指色に持ってきているブランドが少なくない。
ファクトタムは黒やチャコールに血赤
ヨシオ・クボは黒グレー系に鮮赤
N.Hollywoodは、グレートーンに薄赤
リチウム・オムは、グレー・黒に濃紅
アタッチメントは、黒に海老赤
HEATH(ILIAD)は、黒・グレーに臙脂
指色としてじゃないけど、ジョン・ローレンス・サリバンやSOE(ソーイ)は真っ赤なスーツを登場させた。
カジュアルなところでは、WHITE MOUNTAINEERINGが黒いマウンテンパーカに赤黒のチェックパンツやシャツを合わせていた。
海外では、
LANVANの赤紫
ドリス・ヴァン・ノッテン臙脂
ルイ・ヴィトンの朱赤
ドルチェ&ガッバーナ艶紅
と印象的に赤系指色が登場している。


強力な黒赤コンビネーションに対抗する注目色は、カラシ色や金色といった渋黄
ジョンローレンスサリバンはテーマカラー的に使っていたし、
ATOやTROVE、IZREELでも金色や芥子色のアイテムが光っていた。
でも、海外ではカラシ色ではなくて、キャメル色がコート等に使われているのが印象的。
RAF SIMONSのキャメルコート、
ドリス・ヴァン・ノッテンのキャメルスーツやニット、
アレキサンダー・マックイーンのキャメルコートやキャメル色のチェック地ダブルスーツ、、、とか、
クラシックな雰囲気を出すのに効果的に使われてるな。


ところで、
「赤」は80年代ファッションのキーカラーだったんだよね。
1984年の冬だったと思うけど、カーキやオリーブドラヴに真っ赤なアイテムをあわせるのが、流行ったことがあった。80年代の「流行」ってのは、今と違って、本当にどこを見回しても同じ格好しているやつがいるってぐらいの流行り方だったの。もー、おまえらバカか、何も考えてねぇだろっ!てぐらい。
カーキと赤って、実際とっても相性のいい組合せなんだけど、なんとなく毛沢東の生きてたころの中国・国民服みたいだよね。はしゃぎすぎた自由市場主義と行き過ぎた自己責任論の反動で、共産主義にシンパシーを感じる若い人も少なくなくなってる昨今、「カーキと赤」の組合せは、結構注目だと思ってるんだけど、どうなるだろ?