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raf simons 2009A/W



ダブルのスーツがほしい。


2009年の秋冬はダブルブレストのジャケットがとってもほしい。
パンツもツータックのワイドなスラックスで、スーチングしたい。


ダブルのジャケットは2007年秋冬にショート丈のやつが、少しだけ流行った。
たぶんディオールbyエディ・スリマンのクラシックなスタイルが発端だと思う。
で、今年2009A/Wは本格的にいろんなブランドがダブルジャケットやスーツを作っているみたい。


遠く異朝では、ランバン、ドリス・ヴァン・ノッテンボッテガ・ヴェネタアレキサンダー・マックイーン、ラフ・シモンズ、プラダルイ・ヴィトンドルチェ&ガッバーナ、ティム・ハミルトン、ラグ&ボーン、3.1フィリップ・リム、バンド・オブ・アウトサイダーズ、、、と主だったブランドがこぞってダブルを取り上げてる。プラダにいたっては、ジャケットはダブルばっかり*1
近く本朝では、ジョン・ローレンス・サリバン、N.ハリウッド、ガラアーベント、カラー、ファクトタム、パブリック・イメージ、、、主力ブランドがダブルを打ち出してきた。


今年はクラシック路線と80年代リバイバルが錯綜して、ダブル・ジャケット復活となった模様。
丈が長めでウェストを絞ったダブルのスーツ(例えばラフ・シモンズ、N.ハリウッド)のクラシック感もいいけど、80年代風に肩幅が広くて身幅もゆったりなダブル・ジャケット(例えばプラダ、ドリス・ヴァン・ノッテン)も新鮮な感じ。
厚めの肩パッドで肩幅50cm近くあった80年代のジャケットの雰囲気を、一番出しやすいのはダブル・ブレストだと思う。ダブルはやっぱり、しっかり肩が強調されてないと、いまいち絵にならない。


個人的に一番ぐっときたのは、ラフ・シモンズのストライプ地のダブル・スーツ。
http://men.style.com/fashion/collections/F2009MEN/complete/thumb/RSMEN?trend=&page=3
モデルの髪型もみんな七三にびしっと横わけで、まるでウォール街かボンド・ストリートの金融関係者って感じ。
でも、何人かは靴にハイテク風スニーカーを合わせてあったりして、それが80年代NYを思い出させるあたりが上手いなぁ。*2


裏読みすると、クラシックなダブルスーツも80年代なダブルジャケットも、1929年の世界恐慌や1987年のブラック・マンデーをダブル・イメージしてるのかもしれない。昨年来の金融恐慌で、大打撃をくらっているデザイナー達の金融マンへの痛烈な皮肉だったりして。


と思っていたら、MARKAの2009A/Wコレクションのテーマが「怒りの葡萄*3」。
http://www.marka.jp/
デザイナーの石川さん、元経営コンサルタントだけあって、目の付け所が違うなぁ。いつも鋭いわ。

*1:いろんな雑誌のコレクションの写真をチェックしただけだけど、ピックアップされた写真がいずれもダブル・ジャケットなんだから相当な入れ込み様。

*2:80年代前半、NYCではリーボックのスニーカーをビジネススーツに履いて通勤するのが流行った。もちろん影響されやすい当時の東京でも。

*3:世界恐慌直後、不況にあえぐアメリカ農民を描いたスタインベックの小説。