the man who loved girls with glasses


メディア的にはメガネブームなわりに


国内眼鏡市場は、この10年間伸び悩んでいる


わけなんだけども、
根本的な理由の一つは、市場飽和、早い話が、新しいお客が増えていないこと。
メガネ人口のおよそ半分は45歳以上。市場規模では6割を占めてるという、ジジババ向けビジネス。
ジジババの財布は、健康や孫以外のことについては、ひもがきつい。家計調査でも、世帯あたりの眼鏡関係の支出額は、今世紀に入って減少&横ばい。(図1)


ふた昔前は、受験勉強だTVだゲームだなんだで、近眼の子どもがたくさんいて「このままいくと子どもは全員メガネ着用せざるを得ないのではないかと思うのは、私だけではあるまい」なんて危惧する有識者(苦笑)もいたけど、実際には、近眼の子どもの割合は、この10年間大きくは変わっていない。
高校3年生男子の視力データ(図2)を追うと、むしろ最近は若干視力が良くなっている傾向がみられる。ちょうど、ゆとり世代が高3になったあたりからなのは、偶然なのか?
つまり、「目が悪い」から眼鏡をかけるという基本需要が拡大していない。


二つ目の原因は、コンタクトレンズ業界の躍進。
高3女子の視力データ(図3)をみると、男子よりも近視の割合が高い。
渋谷で歩いてても、そんなにメガネ女子高生はいないから、やはりコンタクトレンズ率は高いのだろう。やっぱり「本当のわたし」はメガネをかけてない方の「わたし」なんだろぅか?それとも、メガネ女子が好きなんていってるよーな男子は、あまり好かれていないというか、キモイとか言われてるのかもしれないな。
実際、家計調査(図1)でも、コンタクトレンズ関係は、支出が徐々に伸びている。コンタクトレンズの価格は、以前より下がっているのに!


こーなると、とるべき戦略は?
・メガネをかけているヒトに、もっとメガネを買い替えさせる。
・メガネをかけてないヒトに、メガネをかけさせる。
という二つの方向。


ひとつ目の方向には、あまり具体策がない。
以前なら、高屈折率のレンズで薄くて軽いのが出ましたとか、形状記憶フレームだとか、新機能追加で買い替え需要を煽ったもんだが、それも一段落&使い古された手。今は、目医者に袖の下*1を渡して、眼科検診の度に「あー、また視力落ちてますねー」と言わせるぐらいか...


ふたつ目の方向で検討して、策を立てるべきでしょ、いまは。
で、具体的には、
■ メガネしてる方がモテるという噂を立てる。→メガネ男子作戦
■ メガネをしていないと品格がないという世論を煽る。→メガネをかけてない日本人なんて作戦
というような戦術がとられたワケ。


ワタシ的には、伊達メガネや日常サングラスを一般化させる戦略がいいな。
例えばさぁ、
「目に入る紫外線もカットしないと、皮膚のメラニン蓄積が促進されるので、日常的にUVカットのメガネやサングラスをかけていると、白肌効果がある。」
とか...需要が飽和してるときは、消費者の「不安」を煽るのが一番手っ取り早いのだ。


健康産業のイヤなところって、ソコなんだょね。キレイごとを言ってるようで、実はヒトを不安に陥れて儲けてるのさ。
一遍死んで見る?