Gymnasium im November

school stripe jacket



WHEREABOUTS スクールストライプ・ジャケット 一つ釦
ウール+コットン+シルク、紺地に黒・紫縞
WHEREABOUTS@渋谷店



この秋冬、スクールなスタイルの3つの方向とは?


カジュアル路線の男服は、アウトドアウェアとワークウェアの復権で、アメカジ一色になりそうな勢い。
一方、きれい目な男子服は、スクール・テイストが主流になりそうな、この秋冬。


「スクール・テイスト」って、ひとことでいっちゃうには、案外、間口の広いスタイルだょナ。
プレッピーとか、アイビーとか、アメリカ東部路線もあるけど、もっとクラシックに英国全寮制私立学校路線もある。
ドメ・ブラ今期ぢゃ、N.Hollywoodと、ジョン・ローレンス・サリバンが期せずして、スクール路線を展開。どっちかっつーと、N.Hollywoodが、60年代米国のスポーティなアイビー路線で、サリバンが、ジャケットやスラックス中心のクラシックなブリティッシュ・スクール路線。


丸の内オフィスGuyでも、先人の努力のおかげで、もともと学生ノリのアイビーな格好も、ビジネスでも基本的にOKな現在。スーツにボタンダウン&レジメンタル・タイ姿も定着。秋冬は、トレンチコートに代って、ステインカラーコートやダッフルコート姿のサラリーマンも増えそう。
早慶出身のオッサンや、HarvardやMIT卒のオジ様のアイビーなスタイルには、有無を言わせぬ説得力とオーラが出てる。ましてケンブリッジ卒だったりしたら、もう、何も言えませぬ。そぅゆぅ大学には縁のないオヤヂは、何かひねった「新手」でいきたいところ。


日常コスプレ主義者としては、スクールといえば、やっぱり、アレしかない。
そう「ギムナジウム」!
*1
この単語だけで、潤ときちゃう腐女子の方も少なくなぃんぢゃないかな?かなぁ。。(前略、今年も、ひぐらしがく頃ですね…)
ギムナジウムっていうと、アイビーみたく肉弾スポーツのマッチョな感じがないし、ブリティッシュスクールみたく堅苦しい権威主義的な感じでもなくて、どっちかっつーと、優美で繊細なイメージ。。。


ところで、
今期はショーやらなかったんで目立たなかったんけど、WHEREABOUTSも、なにげに、とってもスクールなコレクションを展開してる。→こちら


今期のテーマが「Blue」。直球でスクールに結びつく言葉ぢゃないから、一瞬、why?と思ってしまうんだけど、かなぁーり、深い意味があるとか。
テーマの「Blue」は「矢車菊(ヤグルマギク)」の花の色「シアン・ブルー」をイメージしたもの。
*2コンセプトフォトはヤグルマギク畑の素敵な写真。ヤグルマギクの蒼い花と、すっと伸びた細い葉の翠色が、印象的。ヤグルマギクの花言葉「教育」「信頼」「繊細」...から、「スクール」をイメージしたそう。


実は、ヤグルマギクは、なんとドイツの国花なんだって!
っていうことは、ヤグルマギクの「Blue」な感じの「スクール」っていうと、ドイツの「ギムナジウム」のイメージは、ぴったりっ!*3
伝統とマナーでガチガチのブリディシュスクールや、さわやかさだけが取り柄の能天気なアイビーよりも、ヤグルマギクの紫がかった蒼い花色は、昔のギムジナジウムな雰囲気がしっくりくるような。なんか、耽美な世界♪
でも、ワタシのギムジナジウムのイメージは、短編少女マンガの古典「11月のギムナジウム」(萩尾望都、小学館1971)が原型なので、かなり偏っていると思うけど。。。*4


そんなブルーで繊細でギムナジウムなコレクションの象徴的アイテムとして、秋モノ初入荷時に、WHEREABOUTSのお店奥にディスプレイしてあったのが、一つボタンのパイピング・スクールジャケット。遠めには紺なんだけど、よくみると紫と黒のスクール・ストライプの生地!
スクールストライプのジャケットというと、すぐThe Clushとか、The Jam(これ)とか、モッズな感じのレジメンタルストライプでみたいな派手な3つボタンのヤツ(→こんなの)が頭にすぐ浮かぶけど、それらとは一線を画した上品な仕上がり。
紺地はウール、黒と紫のストライプはコットンと、生地も凝ってるし、ボタンも、前世紀前半頃のウッドボタンを復刻。
ポケットはすべてパッチポケットだけど、周囲が共生地でパイピングしてある。ラペルや裾も、もちろん全周パイピング。でも共生地だから、近づかないと目立たない仕掛け。


極上品とはいえ、スクールストライプのジャケットを、丸の内で着るのは、ちょぃと微妙な気もしたが、紺ブレおやぢが増殖する秋冬、あえて「ハズシ」でスク・ジャケをあわせるのも、面白いぢゃなぁぃ!と、内なる「鬼」がささやいたので、つい買ってしまった…。
脱いでも、色柄モノのワタシが、色柄モノ(しかも縞々)のスーツを着るのは、キケンなんだけど、これまで、ダークスーツの目立たないサラリーマンばっかり演じてきたから、そろそろイロモノの役もやってもイィ歳かもな...開き直りすぎかな?かなぁ。
腐女子のおねぇさま受けするよう、ボトムはフラノ地のスラックス、襟元はリボンタイか、アスコットタイで、耽美繊細に着こなしたいっすね。
まちがっても、スキニーデニムをあわせるつもりはねぇです。
*5



本日の余談:
この秋、メイド・カフェ、執事カフェに続く、新手のカフェが登場!「ギムジナジウム・カフェ
マーケティング的に、すげぇ興味深いんですけど。。。
詳細はこちら↓
ギムジナジウム・カフェ経営戦略部
http://project02.blog48.fc2.com/tb.php/48-425376af
ちなみに、
当初は、うちの近所で物件を探しておられた由。何か、縁があんのかな?かなぁ。

*1:ギムナジウムは、ドイツの伝統的な全寮制小中高一貫校(9際〜18歳で、大学進学を目指す子供たちが入る。

*2:ヤグルマギクの学名"Cyanus"は、プリンターインクのシアンと同じ意味。ちなみにヤグルマギクの持っている色素は、赤いバラと同じ色素で、この色素を持っている花は本来なら真っ赤になるはずなんだけど、長い間、なぜヤグルマギクだけ「青」になるのかナゾだった。いろんな説があったんだけど、ついに2005年に日本人の科学者がヤグルマギクの色素の立体構造を解明!http://www.bioportal.jp/columns/29/ これで、サントリーの青いバラとは違う方法で青いバラが開発される可能性が出てきたんだって。

*3:「教育(慈しみ育むこと)」がヤグルマギクの花言葉になった経緯と、ドイツの国花になったきっかけは、つながってるらしい。1806年、プロイセンはナポレオン軍に敗退。プロイセン王と家族はケーニヒスベルグに逃れた。その際、ナポレオン軍の目を逃れるため、王妃ルイーゼと子供たちは麦畑に隠れた。王子たちを慰めるため王妃ルイーゼは、麦畑に生えていたヤグルマギクで花冠をつくり、王子たちにかぶせたという。その花冠をいただいた王子の一人が、後のドイツ帝国初代皇帝ヴィルヘルム一世となった。彼はナポレオン3世を破り、国土を回復した際に、その記念として、幼い頃の思い出にちなんでヤグルマギクを王家の紋章と定めた。それ以来、ヤグルマギクは「皇帝の花」と呼ばれ、後にドイツの国花とされることになったとか。

*4:萩尾センセイのギムナジウムものの代表作というと「トーマの心臓」だけど、その原点になった小作品。学園少年愛マンガの市場を開拓したのは竹宮恵子さんかもしれないが、白洲正子さんの「両性具有の美」を受け継いでいるのは、やっぱり萩尾望都センセイだと思う。

*5:もちろん、デザイナーの福薗英貴さんが、ギムジナジウムをイメージしたわけぢゃないので、誤解なきょう。ワタシの妄想ですからっ!実際にデリバリーされてる秋冬商品は、非常に上品・上質なブリティッシュ・スクールに、アイビーのクラシックなスポーティ味を加えたようなアイテム展開。ブラックウォッチのストールや細身のダッフルコートとか、細身のチノパンやつま先のとんがったコンバースとか、合わせやすいアイテムがとっても豊富。ブラックウォッチチェックのアイテムは、この冬、絶対はずせないょねっ!