Oxford & IVY

どうもオックスフォード地のボタンダウンは心から好きになれない。IVYの匂いが強すぎるからだろう。
何が嫌いって、IVYのコンセプトが許せない。23年前、IVY評論家のくろすとしゆきさんが、IVY好きの理想のワードローブのあり方についてメンズクラブかなんかに書いていたんだけど、「真っ暗な中で、手探りでクローゼットから服を取り出して着ても、ちゃんと様になるコーディネートになる」のが最高だそうだ。もうバカかと、思考停止してっだろっ!と声を大に言いたくなったのを昨日のように覚えている。よーするに、頭使わなくても、テキトーにその辺にあるものを着ても大丈夫なアイテムをずらっと揃えるってことでしょ。それは安心で楽ちんかもしれないけど、自分でコーディネートすること、スタイリングすることを放棄してるんだもん。「ITEM至上主義」これが日本のIVYの本質か、と思った瞬間、もうアイビーに関する興味は失せた。このITEM至上主義が、やがて「mono」系男性ファッション誌の発生へとつながるわけだ。石津大先生とVANがあったから、日本男子がおしゃれに目覚めるようになったことには敬意を表するけど、アイビーブームは日本の男性ファッションが豊かになるステップとして、必要悪だったのかもしれない。