SHIPS別注Gerald&Stewartピーコート 黒 Wool+Nylon+Other
MUSEUM for SHIPS@渋谷
3万9900円


店員さんの心意気に感動して即買した話。


10月に福岡店から取寄せを頼んでいたブラックウォッチボタンダウンを引き取りにSHIPSに寄る。届いたという連絡を受けてから、取りに行くのにずいぶん日がたってしまった。
いつも通り、2階レジに行くと先日と同じ店員さんがいた。さっそく預り証を出して、シャツを見せてもらう。うんうん、シップスらしいコンサバなボタンダウン。タイトなつくりではないが、Sサイズだから問題ないだろう。丈も短くはないが、スソを出して着てもOKな程度には短いあたりが、さすが老舗のオリジナル。羽織って着るつもりだったけど、案外、タイドアップしてジャケットの下に着てもいいかも。黒のニットタイで。きっと笑えるぐらいコンサバい人の良いお父さんに化けることができるだろうなぁ!カミさんの実家受けまちがいなし(^^V


んで、「ぢゃ、これ包んで下さい。」って店員さんに渡したら、彼が「しばらくお待ち下さい。うちのオリジナルのピーコートのSサイズが入ってきましたから、ぜひ見てください。」と一言。確か先日ピーコートも多少物色したんだけど、普通のアメカジシルエットのM/L展開のピーコートしかなくて、あたしが、いやーこれはタイト&ショートじゃないからって断ったのを思い出した。
彼はレジ裏のストックから、まだビニールに入ったピーコートを持ってきてくれた。僕のことをちゃんと覚えていて、次来る機会に見せられるように取り置きしておいてくれたらしい。いやー気が利くなぁ〜、お若いのに。いや、それだけじゃーなく、商売人としてもしっかり考えて行動している。うん、素晴らしい。こういう人がいないとな、本店にはやっぱ。
着て見ると、なかなか良い。メーカーは米国のごくごく一般的な(たぶんミルスペックでも生産している)工場でつくった混毛のピーコートなんだけど、かなり細かくSHIPSの注文が入っていた。
実は、BEAMS+でも同じメーカーに発注したピーコートを売っていたのだが、それはあまり原型に手を加えずサイズ展開を、ひとつ小さくして発注したものだった。悪くはないけど、SHOTなんかのピーコートと同じで、いかにもミリタリー&カジュアルって感じだった。確か2万9800円。
SHIPSの方は、タグを見なければ同じメーカーが作ったって気が付かなかっただろう。丈を短く、幅を細くするのに加えて、生地も紺→黒にした上、総裏地にしてある。裏地がピンストライプってとこが上品。しかも裏地と生地の接合部はパイピング処理。その上、エリ裏に付いている風防用のベルトの裏にも同じ裏地が。丁寧な仕事してはりますなぁ。ボタンもイカリマークのプラスチックのやつぢゃなくて、燻し銀のメタルボタンに変えてある。まぁ、BEAMS+より1万円高いのも納得。


そんなSHIPSらしい手の込み方もさることながら、なんといっても今回担当してくれた販売員の梶原くんの心配りと商機を逃さない段取りに、プロ意識を感じたので、このピーコートを買うことにその場で決めた。今年、どのブランド、どのメーカーもこぞってピーコートを出してきてる。まだ見てないショップも沢山あるけど、ここで彼の心遣いを意気に感じなけりゃ、お客の名折れってもんだ!(→4万円ぐらいでイキガルなっつーの、自分)


支払いが終わって、彼から包みを受け取るときに、彼の心遣いが客として、ものすごく嬉しく、かつ快かったことをきちんと伝えて、「ありがとう」と言って帰ってきた。彼も「がんばりますっ!」っていってたけど、彼のようなプロ意識のある販売員が育たないと、実店舗での販売に意味がなくなってくるよな。強気なゴリ押しや、薀蓄マシンガンで売りつける店員は、短期的には売上げを達成するだろうけど、彼らがマネージメントをする歳になったときにボロが出るだろう。それ以前に、上客が付かないだろうな。ちゃらい人脈はつくれても、本当にビジネスに必要な人脈は、梶原くんみたいな真摯に「服」が好き、「ヒト」が好きって感じが前面に出てる人のところにつながるように出来てるんだよ。40代になって、そんな基本的なことが、とっても大切ってことに気が付いた。
今日は、ほんとうに気持ちいい買い物ができた。


ちなみに、買い物のときに僕の記憶に残った店員さんは、後々、必ず業界でそのヒトありって存在なってます。15年も原宿で買い物してるので、店員さんの人間力(技術的な能力とかじゃなくて)を見る目に最近自信出てきました。だいぶ実績が出てきてるし。