sailor & tattooer

"Sailor Jerry Collins ☆ American Tattoo Master"をようやく入手。
Don Ed Hardyが1994年に著したJerry Collinsの伝記。絶版になっていたので、Amazon.com本家の古書で購入。10年前、定価30$=約3千円だったのに、今や1万円〜2万円もする!紀伊国屋の米国法人によると結構希少本になりつつあるらしい。
Old School Tattooが好きな人なら、Jerry Collinsを知らない人はいないだろうが、それ以外の人はたとえ墨肌の人でも、彼を知らないかもしれない。でも、もしJerry Collinsがいなかったら、今の日本、そして海外での「和彫り」ブームは起こらなかったかもしれない。
もちろん、Collinsだけの功績ではない。彼と手紙をやりとりしていた日本人彫匠(=Tattoo Masters)、そして彼らの交友を引きついたHardyや三代目彫よしさん達の活躍がtattooを、そして日本の彫り物を大きく変化させるきっかけになったのだと思う。
日本の刺青界における明治維新、あるいは文明開化*1のような事態が起こったのがほんの三十年前だと言うことをもっと日本人、少なくとも墨肌の人には知っておいてもらいたいなと思う。
(この辺の詳しいところは、改めて書いてみよう。。。)
また忘れてはならないのは、日本人として欧米のTattooを国内に紹介するのに尽力した人達がいたこと。浅草の彫長さんこと佐藤恵三(ペンネーム)が、同時期に訳出したオーストラリアの女性Tattooistの伝記「快楽の女」も国内の彫師さんに与えた刺激も甚大だったろう。

*1:いい、わるいの両面があったと思うが、個人的には、欧米化の渦中で、西洋に学びつつも最後まで踏ん張った江戸の絵師や、彼らを再評価したフェノロサやコンドルが居たことが明治時代の東京アートシーンを面白くしたのだと思う。