tattooer&esthetican
彫師になるのに試験を受けなくちゃならなくなる?!
経済産業省の方で先手を打ってるとは。
同省では2002年12月にエステティック産業適正化研究会」を設置して、半年ごにょごにょやって、去年の6月にレポートが公表された。
このレポートでは、
の二つの制度を2007年には作れー!と提言している。
え〜っ!ついにエステティック業界も国の規制を受けるのか!
レポートが出て、既に1年以上経つので、ほんとにこの話が進んでいるのか、経済産業省に電話して聞いてみました。
「今年5月に日本エステティック連合8団体をベースにNPO法人『日本エステティック機構』を立上げ、2007年4月を目標に、マル適マーク、資格認定制度を準備中」とのこと。
うーん、本気だ。。。
レポートには、アートメイク(美容刺青)については直接書いていないが、医療行為がらみの施術については、
- 医師が医療面でフォローできるようにサロンと連携する仕組みをつくること
- 適正な業界団体にサロンが加入すること
の2つを要件にすべきだとしている。
じゃあ、医療や美容を管轄している厚生労働省側は、動き出しているのか探りを入れてみた*1。
どうやら「日本エステティック機構」や資格認定の件には厚生労働省は係わっていないらしい。
エステシャン資格認定について厚生労働省側の動きがないのは、現状ではまだ、
といった理由からのようだ。
これ以前に、医師法の「医療行為」の範囲にかかわる部分は、一旦さわると、いろんな問題*3にまで広がるので、厚生労働省としても慎重になってしまうのかもしれない。
この余波を受けて、彫師さんも規制対象になるのか??
エステシャンの公的資格づくりをやっている日本エステティック機構というのは8つの業界団体が元になってつくったようだが、主な団体が認めている「エステ」の範囲には、アートメイク(美容刺青)は加えていないようだ。
アートメイクを外したのは、それが医療行為だからということだけではないだろう。医療行為であるレーザー脱毛については業界団体も基準や資格づくりにも熱心だ。
10年程前に(財)日本エステティック研究財団がまとめた研究レポートを読んでいたら、エステ業界としては、アートメイクについては「エステティックの健全な発展のためにもこの領域に立ち入るべきではない(註1)」と書かれていた。
一方、のけ者にされたアートメイク業界でも経産省の規制強化の動きにあわせて、動いているところもある。
米国のアートメイクスクールのカリキュラムを持ち込んで、衛生・医療に関する教育まで行うようだ。
このサイトでも指摘しているが、今回のエステサロン・マル適マークとエステシャン認定試験には、どうやらアートメイク(美容刺青)は含まれない模様。
2007年に認定制度がスタートしても、刺青業界への影響は直接ないとみてよいだろう、たぶん。認定制度が動き出したときに、認定対象から外れるアートメイクをやっているサロンや美容外科はどうするのか、厚生労働省は動くのか、まずは様子を見てみよう*4。。。
(註1)その理由として、
- 民間における刺青が伝統的なものとして黙認されている
- 感染症の可能性があり、公衆衛生上取締る必要がある
- 医学的にも皮膚に障害なく除去できない
という点をあげているが、なんとなく釈然としない。感染症は電気脱毛でも起こりうるし、皮膚の障害も、レーザー脱毛やケミカルピーリングでも一つ間違えば甚大だろう。