try and fail


「落ち込むのは、なお悪い。ただ懲りればよい。」
(「狼と香辛料」第八幕)


知合いの医師(2男児の母)の教育モットーは、
「失敗には、やっていい失敗と、やってはいけない失敗がある。」
だと聞いて以来、いい失敗といけない失敗は何が違うのか、とても気になってしまった。


一度、自分なりの結論として、失敗による影響の範囲が違うのだろう、と思ったのだが、最近、そんなことじゃないと気がついた。
そもそも「失敗」という言葉に何の疑問も持たなかったのが、間違いの始まり。
漢字で「失敗」と書くと、それがミスなのか、エラーなのか、ファウルなのか、アクシデントなのか、分らなくなってしまう。そこが落とし穴。


「失敗から学べ」と言うが、学習効果が高い失敗というのは、単純ミスやちょっとしたエラーのことだったりする。*1
逆に、努力したのに失敗した、というようなときの「失敗」は「すぐに忘れることが大切」だそうだ。プロスポーツのカウンセラーの一言だったと思う。失敗から学ぼうなんて考えていると、前の試合で負けたことをずっと引きずってしまう。負けを引きずるぐらいなら、さっぱり忘れた方が次ぎの試合のためだ、といことらしい。


自分がトライして、その結果としての「失敗」は、さっさと忘れていいってことだ。いちいち落ち込んでいては、次のトライアルに向かって集中できないだろ。
でも、不注意とか気の緩みとか、単純なミスは、繰り返さないよう、しっかり「懲りる」ことも大切。

*1:ありがちなミスほど、また起こる可能性が高いし、自分以外のヒトへの教訓やアラートにもなる。大きな失敗は、誰もめったにしないから、失敗談を聞いても「ふーん(他人事)」って感じで頭に残らない。