the value of tradition

J.Press×Marka@Isetan



伝統×〔  〕


トラッド・ブランドと気鋭デザイナーとのコラボが流行ってるな。
コラボといえば、革とか靴とかスポーツウェアとかの専門メーカーと実力派デザイナーのコンビネーションが主流だったけど、ここんところは伝統あるアパレル・ブランドと組むのが目立つ。
世界的大ヒットは、ブルックス・ブラザーズ×トム・ブラウンの「ブラック・フリース」。
この組合せを思いついた仕掛け人は、ブルックス・ブラザーズをよく説得したもんだと思う。でも、おかげでブルックスのブランド価値アップアップで、今やヤフオクでもMade in USA時代のブルックス古着や古靴が高値で取引されているぐらい。欧米人は、ブランドビジネスが上手いなぁ。


ブルックスに次ぐ歴史あるアメトラ・ブランドと言えば、Jプレス。今期からMarkaとのコラボ・ラインを新宿伊勢丹メンズ館限定で発売中。中でも、タイトなボックスシルエットという難度の高い技がさえる濃紺ブレザーが大ヒット。一回目の入荷は4月を待たずに完売。4月初旬の再入荷分もSサイズ(44)は、予約だけで完売。
てっきり、ブルックス×トム・ブラウンの真似かと思ったら、そーぢゃないらしい。ブルックス×ジュンヤ・ワタナベのコラボに触発されての企画だそうだ。ブルックス×ジュンヤは、実は正確に言うとブルックス・ブラザーズ・ジャパン(ダイドーリミッテッド49%出資)×コムデギャルソン・ジュンヤ・ワタナベでの日本企画。新宿伊勢丹メンズ館の2階でも爆発的ヒット。それを4階から眺めていたオンワードの企画のヒト、なら、Jプレス(オンワード樫山)×日本人デザイナーでも何かやってみようということで、Markaの石川さんとのコラボ企画となったそうだ*1。パターンは全部、Markaの今期コレクションを踏襲。Jプレス側は、J.Pressのイメージカラーの「赤いパイピング」と「キャンディーストライプ」のあたりを指定しただけだとか。
でも、結果的に見て、和製トム・ブラウン=石川俊介という「いいイメージ」がついたような感じ。で、ブランド価値UPも、Markaの方に持っていかれたような気もしないでもない。古着のJプレスが高騰してるって話は聞かないし。
この企画、2008−2009秋冬も継続するとのこと。秋には、フラノ地のブレザーもリリース予定!ツイードの三つボタンジャケットも出す予定だとか。絶対出してくれ、必ず買うから!


国産ボックスシルエットのジャケットと言えば、VANヂャケットが元祖的存在だけど、これもLicquor,woman and tearsとのコラボで、ボックスシルエットの3つボタン・アイビージャケットが復活。ほとんどサックスーツみないなシルエットが、わかるヒトにしかわからないオシャレな感じで、一部では好評*2


いまひとつ、話題にならなないのが、三陽商会×ニール・バレットのブラック・パレット。いっそポール・スチュアート(三陽商会)とのコラボってことにしたら面白かったかも。って似合わないか?いや、意外性があってよろしいのでは。これでポール・スミスとは間違われなくなるかも。

*1:日米共同企画では2006年からマーク・マクネイリーを外部デザイナーとして初めて起用。

*2:祐真朋樹氏御購入済