Tight & Double-breasted

FACTOTUM 6Bダブル前スーツ ライト・アッシュ・グレイ ウール×カシミア
UA BLUE LABEL STORE @原宿
7万9800円


キラー通りには、どこよりも早く秋が来る」



と、言ったのは21年前の林真理子*1。今は、セレクトショップからのDMが早熟な秋の実りを送りつけてくる。青い果実ってか?まだ、ひと夏の思い出も済んでねーっつーの!FACTOTUMの先行受注会が束矢青札店であるとのお知らせが届いた。
蒸し暑い梅雨の時期に、じっとり汗をかきながら、ウールのコートやマフラーやセーターを見に行く客の苦労を考えて欲しいねぇ。といいながらも、やっぱり見に行くのであった。だって、FACTOTUMがダブルのスーツを出すらしいので。
青札屋の2階に上がると、半分に仕切られていた。受付制で一人づつ秋冬モノを見せてくれる趣向らしい。受付に記名したら、1時間待ちだと。はぁー、なんか大仰。


店内を見てまわっても、時間があまりまくるので、LAD MUSICIANにでも顔を出してこよう。秋冬モノが陳列されているかも。
行ってみると、案の定、新作第一弾が並んでいた。今年は黒と赤がキーカラーのようだ。スーツ(セットアップ)は真っ黒ばっかり。でも裏地は真っ赤。この色がまた、いい赤だ。こんな赤、金子功さん以来、久しぶりに見た。


血のような赤。血赤。赤にちょっとだけワインカラーと海老茶を加えたような色。赤は、ハデハデしくなったり、安っぽくなったりしやすいので、いい色を出すのは難しいと思う。
かといって暗くなって、赤の持つ鮮烈さがでないと、これまたもったいない。磁器の赤といえば、柿右衛門だけど、服の赤というと金子功だと、僕は思ってる。あのヒトの赤はすごかったなぁ。どんな素材であっても、ベストな赤の発色を追及していたと思う。
黒田さんの新作の「赤と黒」も完成度が高い。そうか、もう黒田さんも、PINK HOUSE全盛期の金子さんと同じ歳になったんだ。若造が扱える色じゃないのかもな、赤や黒って。先入観、イメージ、象徴性が強い色だけに、自分のモノにするのは時間がかかる。
この秋のLADの黒スーツ、BLOOD+好きの方に着ていただきたいかも。


といいながら、今期のLADのコレクションの中で、一番欲しいのは「ドカジャン」!あの寅壱のコレクションにも登場するヤツ。かつて寅壱とコラボでニッカボッカ風パンツをつくったLADならでは。そのドカジャンを黒スリムパンツを履いたリーゼントのモデルが着て出てくるの。もーランウェイを爆走っ!
この新作、ほんとにLADのスタッフの間でも「ドカジャン」って呼んでるらしい(笑)エリだけじゃなくて裏も総ファーになってるそうだ。残念ながら、現物の入荷は、まだ先みたい。ファーは昨年に増して、この冬、はやりそうだし、ぜひ欲しい。スリムなパンツを合わせるのもいいけど、今期注目のブッといパンツと合わせても面白い。本当に面白がられてしまいそうだけどね。ドカジャンにドカンかょ!って。表参道を爆装でもするか!


なんてこと妄想しながら、青札店に戻ると、ころあい良く、順番が来た。あんまりサンプルはなかった。一番目を引いたのは、赤×黒のグレンチェックのウールジャケット。もー、生デニムに合わせたら最高に似合うでしょうね。でもグレンチェックなので、クラシック感が出てるあたりが、今年風。
でも、あたしのお目当てはダブルのスーツ(セットアップ)。LADの春夏モノでもダブルスーツは出てたんだけど、これはライラック色だったので、購入は断念、さすがにちょっとねー。でも、FACTOTUMの秋冬モノのダブルスーツもかなり明るいグレー。灰白色っていうのかな。生地はカシミア混のフラノで申し分ない。仕事用には多少、おしゃれすぎる色かとも思ったけど、グレーのフラノは大好きなので、やっぱり購入。ワインをこぼしたらシミになっちゃうわ、どうしよ、って酒飲めねーくせにっ!
サイズは44で発注。たぶんパンツはウエストを出さないとキツイだろう。そうとうタイト目だから。でもがんばって少し痩せよう。このスーツ着て、ソロモンのコスプレするんだもん(ソロモンぢゃなくて、ネイサンだろっ!って突っ込まないように)。

*1:1985/09/20,an・an